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日本神学研究センターの発足に期待します(長手陽介)

更新日:2022.07.20

泉高森教会伝道師 長手陽介

私は、神学校を卒業して、駆け出しの伝道者として教会の主任担任教師の責任を負ってから一年弱になろうとしている者です。今、一番痛感しているのは、日々の伝道・牧会の務めが如何に深く神学の学びと関わっているかという事です。説教を作成する時も、牧会祈祷を準備する時も、コロナ禍の中で礼拝での讃美のあり方の検討を迫られる時も、教会員の葬儀の時も、ちょっとした教会員の質問や相談に答える時も、全てに待った無しに「神学の学び」の裏付けを伴った答えが要求されます。神学校で基礎的な学びを一通り終えているとは言え、誰もが現場に出て、いわば風速40メートルの突風にさらされる思いの中で「もっと学んでおけば」という後悔があるかと思います。また、神学を「教会の成長」につなげて行くためには、教職一人で神学を理解すれば良いという事ではなく、「教会員と共に神学する」事が必要だと思うようになりました。この点、日本神学研究センターは、教会の現場に出て、改めて「学び」の必要を感じている私のような教職者、教会の長老、信徒の方々、そしてこれから伝道者を志して神学に入門しようとする方々、教会に関わる全ての方々に自由に開かれています。また、ネットを利用するので、地理的、時間的な制約を越えて、全国の多様な人々の学びと相互交流の場となるでしょう。さらに、今後は英語での授業などメニューを充実させて、将来海外で神学を学びたいという若い人たちの学びのスタート地点となることも期待しています。今の日本の伝道の閉塞した状況を変えて行くには、従来の日本の神学校の枠を越えて、自由闊達で国際的な学びの場が必要とされていると思います。日本神学研究センターでの授業を担当するのは、いずれも教会の現場での伝道牧会、キリスト教学校での研究教育に日々労苦しながら神学研究を行っている先生方です。「教会が神学の最前線」という言葉を「建て前」だけに終わらせず、日本の伝道を「もっと活き活きしたもの」に変えようという問題意識を持って神学している先生方が、教派や学閥にとらわれず、豊かな神学研究の自由空間を造り上げて行く事を期待しています。教会の伝道の現場としっかり結び付き、諸教会の伝道の進展の足場となる「神学の学び」を提供する場として、日本神学研究センターが順調にスタートする事を願っています。

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